最近「子ども事情」part 2 2009年12月
第21回目 子育てに必要な3つの視点
「家に帰らない」から「家から出ない」に
30年前、学生の頃に行った児童相談所では、「家に帰ってこない」子の相談が多かったものです。ところが最近は、家から出て行かない青年や大人の相談が主です。現在、「引きこもり」は全国で60万人ともいわれています。
最近では、日本でバイトして稼ぎ、物価の安いアジアの国々に行く人たちがいます。そして、宿から出ない生活をします。「外こもり」ともされる日本人が、タイには2万人ほど暮らしているそうです。
「挫折型」から「自律不能型」に
同じ30年前、「不登校」は「登校拒否」とよばれていました。当時、登校拒否の最多の理由は、自分が他者と比較し優秀ではないと思い知ることでした。それで学校に行けなくなります。「挫折型」と称されるこのタイプは、おおむね思春期前後が発症の時期でした。
ところが最近の「不登校」では、自分で朝起きられないことが原因と思えるタイプが急増しています。こういう子は、生活全般に対して、自己コントロールができません。「自律不能型」の不登校は、発症の時期も早く、小学校低学年から見られたりします。
「働けない」という問題
ニートと呼ばれる青年がいます。男子が、圧倒的に多いのが特徴です。女子は、子どもの頃から家事手伝いをしているからともされますが、炊事、掃除などの技術があるので働く場所があり、ニートにならずにすみます。
高校を卒業しても働けないから、大学や専門学校に進学する男子が、確実に増えています。
学生になっても、アルバイトをしないというよりも、働けません。働くための心構えもスキルも不十分で、結局は卒業してもニートになったりします。
今、求められている子育てとは何か
●ゲームなど家の中ばかりで遊ばせない
●小学1年生から朝は自分で起きられるようにする
●勉強よりも手伝いをさせることが大切
これら3点を毎日のようにアドバイスしています。現代の子育てにおいて、最も不足している視点だといえます。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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