最近「子ども事情」part 2 2008年7月
第15回目 事件と育ちの解明
江東区バラバラ事件、秋葉原大量殺傷事件など、驚くような事件が続いています。秋葉原事件では、被害者に教え子の知り合いがいて、遺族や友人の悲しみを深く思いました。
犯人は、江東区が33歳、秋葉原が25才男性。生まれは、多分1975年と1983年。二人の思春期、青年期は、80年代後半から90年代の半ばあたりに始まりました。
二人のその時期は、バブルがはじけるとともに、終身雇用が壊れ、リストラが盛んに行われました。会社が生き延びる一方で、リストラする方もされる方も、関係した多数のサラリーマンの心を傷つけました。
また、家族にも多大な影響がでました。90年代末には、産業構造の変化が迫られているということで、政府から2000万人近くの「職場替え」が必要と発表されました。
労働者の4人に1人が対象なのかと、そのときにはその数の多さに、ただ驚きました。この「職場替え」は、大きな変化を社会にもたらしたように思います。社会学が専門ではないので確かではありませんが、中流階層減少の一因にもなったのではないでしょうか。
会社には、世界の変化に対し柔軟な対応が求められるようになりました。
このこともあり、固定社員ではなく、流動的雇用が増えました。二人の犯人は両者とも契約社員、いわゆる「派遣」でした。
派遣社員を10年余体験して、大学院に入った女性がいます。彼女は「派遣」は労働力しか期待されず、人間性など求められていない、そのことを割り切れないと勤められないと話します。
人間と見なされずに働くことができるのか、それは無理なのだと思います。職場では人間としてカウントされず、暮らしはワンルーム。友人もいない。これでは仕事はしていても、「社会的孤立」状態といえます。
彼らがやったことは、許されるわけもなく、情状酌量もありえません。ただ、このような事件が「これで終わり」とはとても思えません。
二人の犯人の子ども時代からの詳細な記録を収集し、社会状況との関係も踏まえながら、どうしてこのような加害者が生まれたのか解明すべきです。そして、再発防止の策を社会全体で考えるべきときといえます。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
HOME
会社案内
子育て
コラム
お店情報
地域情報
http://www.hattatsu.or.jp/
前のページへ