最近「子ども事情」part 2 2007年7月
第11回目 兄弟関係
最近、兄弟姉妹の仲がよくない、それも激しく悪いという相談を、複数受けています。
小3の男の子は不登校気味です。この子は、小1の弟を眼の敵にし、弟の姿を見ただけで殴ったり、蹴ったりするそうです。このために、兄と弟を1階と2階の部屋に分け暮らしています。小3の兄はぼそぼそと話し、自身なげな印象です。この子が弟に、狂ったような乱暴を繰り返す姿は想像できないほどです。
小5の兄は、小2の妹をしつこくからかい、気分によっては乱暴するといいます。お母さんは、兄のことを高く評価しており、「この子はできるのに勉強しない」と、何の疑いもなく相手に話します。
どういう根拠があって「できる」と思うのか、実際にはよくわかりません。学校では一人勝手な行動が多く、ときに教師に乱暴したりしています。
中3の男の子は、年子の弟とそりが合いません。学校の成績は弟にはかなわないレベルで、弟が自分のことを馬鹿にするそうです。
問題はお母さんが、ケンカの原因を、兄がAD/HD(注意欠陥・多動性障害)だからと考えることです。確かに、小学校3年生までは落ち着かず、衝動的な姿もありました。しかし今は、運動好きの好印象の中学生です。
赤ちゃんの扱い方を教え、乱暴は許さない
小3の男の子は、3〜4歳ころは弟の世話を焼きたがったそうです。やさしい気持ちはあっても、赤ちゃんは自分の思い通りにはなりません。嫌がって泣いたり騒いだりもします。
このときに大人が気持ちを認めつつ、実際に赤ちゃんの扱い方を教える必要があります。
こういう配慮がなく、近づいただけで怒られたりすれば赤ちゃんに憎しみを持つかもしれません。何よりも問題なのは、こういう乱暴を長期間にわたり許す、親の姿勢です。
子どもを過剰に高く評価しない
親が兄弟間にランクをつけ、高い方の子には好き勝手を許せば、自制心は育ちません。教師への暴力は、自分が上下関係の上にいると勘違いしている可能性があります。思春期に入ろうとする現在、とても危険な状態です。
病気のせいにしない
子どもの行動を、何でも病気のせいにする風潮があります。年子の兄弟喧嘩は、兄が学業不振で、自分が認められないことにも原因があります。兄の運動好きな点を評価してあげ、兄弟間の調整を促そうと思っています。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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