最近「子ども事情」part 2 2006年7月
第7回目 つばを吐く子
あるお母さんから「ウチの娘からつばをはきかけられました。子どもから嫌われています。どうしたら好かれる母になれるのでしょうか」という質問を受けました。お母さんはこれまで一度も、人からつばをはきかけられたことがなく、とても衝撃的だったそうです。 その娘さんの年齢は3歳1か月。
2歳から3歳にかけて子どもは、「自我が出てきた、自己主張するようになった」といわれるようになります。大人が手を貸そうとすると「自分で、自分で」といって子どもは拒絶するようになります。
確かに「反抗的」にはなりますが、急速に身の回りのことができるようにもなります。手がだんだんとかからなくなってきます。ただ、なかには「人の上に立とう」という気持ちが強まる子がいます。反抗的な態度だけではなく、人から命令されるとそれに対して怒ります。怒りが、叩いたり蹴ったりという姿になって表れます。なかにはつばをはく子もいます。
2〜3歳の子どもですが、発達のベースには「大きくなりたい・自分を拡大したい」という気持ちの高まりがあります。その高まりが子どもに「上下関係の上」になること、つまりは命令する側に立たせようします。
そういう心理があるものですから、大人から命令されたときに、怒った表情、つばはき行動が出る子がいます。これらの行動は、社会性の発達からみて問題で、ゆくゆく他の子や人と上手く関係が持てなくなる可能性があります。だから「お母さんに何てひどいことをするの」と真剣に注意し、止めさせなくてはいけません。
ここで大人が、「嫌われた」から「好かれるように」と物を買ってあげたりし、子どもにおもねったらどうなるでしょうか。当然ですが子どもは、大人は自分よりも下の存在と思います。ですから、大人から指示や命令されたりすると「下男・下女のくせに」と似た思いからか、さらに強く反発するでしょう。
2歳代は虐待を受けやすい時期でもあります。虐待リスクが高いのに子どもは反抗します。子どもは、反抗=自己主張しながら自立への道を歩んでいるのでしょう。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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