最近「子ども事情」part 2 2005年4月
第2回目 友達ができにくい子
「友達ができない」という相談をよく受けます。クラスの子とトラブルが絶えない子もいます。「一緒に遊んでくれない」、「ぼくの話をみんな聞かない」と訴える子もいます。
自分が「したいこと」を、まわりに話しだすのはおおむね4歳です。「したいこと」のあとに、「自分の考え」を言えるようになります。それが5歳代です。
たとえば、「トランプの『七並べ』をしよう」と提案します。ところが4歳では「なぜしたいのか」を説明できません。説得力がなく、他の子は話を聞いてくれないでしょう。そこで自分の考えを伝える必要性を感じ、理由が言えるようになります。「『七並べ』をしよう。だって面白いから」といった、簡単なプレゼンテーションができるようになります。
ところが相手が「『ババ抜き』がいいよ。だってこの前もやったでしょ」と言ってきたらどうするか。「七並べ」と「ババ抜き」のどっちにするかの話し合いになります。その結果、「七並べ」をしたあとに「ババ抜き」になることもあるでしょう。ここで大切なのは、相手に自分の考えを表現できる力です。また、相手の考えを聞こうという態度です。そして妥協できることです。これらの能力をベースとしたやりとりがあって、子どもたちの遊びは成立しているともいえます。
したいことではなく、考えを話し合っているのがわからない子がいます。当然ですが、考えを受け止める、お互いの妥協点を探るなど理解ができません。こういう子の場合、合意の内容がわからず一緒にうまく遊べません。
したいことばかりをいう子は、「話を聞いてくれない」と思いこんだりします。マイナス体験が積み重なると、同年齢の子に強い苦手意識を持つ子が生まれます。その意識が、友達ができない原因となることもあるでしょう。
大人の側も注意が必要です。「したいからやる」「嫌いだからダメ」と表現することはできるだけ避けたほうがよいでしょう。これらには自分の考えが表現されていません。好き、嫌いの宣言だけです。子どもの考えを聞くとともに、大人も自分の考えをきちんと子どもに話す、そうやって自分の考えを表現する大切さを理解させたいものです。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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