子育て相談室-青年期 2008年9月
ケータイと親の役目
子の誕生日プレゼントに(子がどうしてもということで)携帯電話を考えています。フィルタリングという機能があるようですが、子どもがこれを嫌がります。必要なサイトが見られなくなると言うのです。問題を起こさないようにフィルタリングをかけるか、様子を見るか。どちらの選択が正しいのでしょうか。
いまの携帯電話には、通話機能だけではなく、位置を教える、メールの送受、情報収集機能などがついています。さらにブログなど、自分で情報を作成し多数に向かって発信するなど、表現手段にもなりえます。
電話というよりも、これまでになかった「ケータイ」という情報端末であるともいわれる由縁です。
子どもさんが、フィルタリングを嫌がるのは、さまざまなケータイ機能について、親から利用制限されることへの抵抗なのでしょう。
未熟な子どもが世界と繋がることへの不安
子どもは、親から自立したいと考えます。「自分で考えて判断し、自由に行動したい」と願います。親の方は、子どもの「考えて判断する能力」が、未熟ではないかと不安です。
無機質で機械が作っているようにも感じる電子情報ですが、実際には人間が作っています。そこに、どんな悪意が隠されているかもしれません。親は、未熟な子どもが情報と自由にアクセスできるようになったときに、無批判にそれを受け入れるのではないかと心配になります。
子どもが、テレビや映画を無批判に観ることは危険です。たとえウソでも、それをホントと思いこむ可能性があります。
イギリスやカナダでは、小学生の頃からテレビなどを鵜呑みにしないことを教える「メディア・リテラシー」という授業があります。
日本では、このような授業がなく、無批判にマスコミ情報を信じてしまう危険性が常にあります。
フィルタリング可否の判断と子どもの育ち
フィルタリング利用の判断は年齢にもよりますが、子どものなかに批判能力が育っているかどうかにあると思います。
自分で考える力が弱く、鵜呑みにしてだまされそうであれば、親はフィルタリングをかけなくてはいけません。
無知無垢のまま世界とつながらせるのは、誘惑の多い繁華街を、子ども一人で歩かせるようなものだからです。それほどに、インターネットの世界は危険です。
もしもフィルタリングをしない場合には、誘惑の多いサイトは危険であることを子どもに話し、批判的に接触することを教えたいものです。
あわせて子どもが自分で稼ぎ、ケータイの利用料を払うようになるまでは、親がある程度、接触先について監視する必要もあるでしょう。
ケータイは、親にとって子どもを危険から守る道具でもあります。だから「緊急連絡用」にケータイを持たせます。ケータイについては、子どもを守るという親の役目を忘れずに判断したいものです。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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