子育て相談室-児童期 2004年3月
勉強嫌い
小学校2年の子を持つ親です。勉強嫌いで困っています。時間を決め、机に向かうように仕向けていますが、取り掛かりが遅く、またいつまでたっても終わらないので、こちらがイライラしてしまいます。机の前でボーっとしていて、ただ時の過ぎるのを待っているときもしばしばです。勉強嫌いを直す方法はないのでしょうか?
回答者のぼく自身も、小学校から高校まで勉強するのが嫌いでした。当然ですが成績も悪く、小学5年生のときに母親が、通信簿を見ながら「あひるさんばっかり(5段階評価で2が多かった)」と嘆いていたのを覚えています。
ここで自分のことを考えてみます。学ぶのが好きになっていった過程を振り返ってみると、転機が4回ありました。
1回目は小学校6年生の時に、書き終えたテストを見返すとミスが減る事を知ったことです。友達から教わりました。これで、できない訳ではないという自信がつきました。
2回目は中学1年生の時に、父親に2年生の数学を勉強させられたことです。教わっている時はイヤイヤでしたが、2年生になったら少しずつ数学がわかるようになりました。その「わかる」というが実感が、他の教科への学習意欲を高めてくれました。
何とか入った高校ですが、当時は学生運動が盛んで、高校生もその影響を受けていました。勉強はしなかったのですが、国語の先生がユニークで、本を読み感想を書けば赤点にしない人でした。
3回目の転機は、この先生のお蔭で本を読むのが好きになったことです。
4回目の転機は、発達障害の子どもたちと出会い、何かの役に立ちたいと強く思ったときに起こりました。子どもたちと付き合うかたわらで専門書を読み、学ぶことの面白さにのめりこんでいきました。
4回の転機を整理すると、1.テストや勉強のテクニックを知ること(技術の獲得)2.先にわかっていて、学校で学ぶときに簡単に感じること(予習と自信)3.本を読むことへの抵抗がなくなること(情報の収集手段に慣れる)4.もっと知りたいと思うこと(知ることへの意欲)になります。
なお、他に気を奪われるものが少ない環境であること(集中できる環境)も大切です。
AD/HDなど、発達に問題を持つ子には共通して言えることですが、テレビをつけての勉強や、ゲーム漬けの毎日では勉強への意欲が湧きにくくなります。
人との交わりのなかで起こった転機
友達、父親、先生、そして発達障害を持つ子たちと、転機はいつも人との関わりから生まれました。仕事柄、不登校、引きこもりの子たちと付き合っています。いつも外出を促しますが、転機は人との関わりなしに起こらないと思うからです。
さてお子さんですが、いまは勉強ばかりでなく、仲間と生き生きとあそぶなかで社会性を育むべきときでもあります。勉強への意欲が湧くまでは「社会性」が重要と考えていただき、長い目で見られることをおすすめします。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
HOME
会社案内
子育て
コラム
お店情報
地域情報
http://www.hattatsu.or.jp/
前のページへ