子育て相談室-児童期 2009年9月
自立のサイン
7歳の女の子です。仲間はずれにされるのに、それでもそのお友達と遊びたいと言います。「○○ちゃんと遊びたいなら仲間に入れてと言えばいいじゃない」と伝えると、「いじめられるからいや」と言います。「じゃあ、別のお友達と遊んだらいいでしょ」と言うと「○○ちゃんと遊びたいの」と言います。遊びたいのに遊んでくれない。でも、どうしてもその子と遊びたい。この気持ちをどう支えてあげたら良いでしょうか。
大人にも似たようなジレンマがあります。関わりを持ちたい人がいるけれども、どうやって近づき、関係性を築いていっていいかわからない。気軽に考えて、相手に「お話がしたいのですが」と言えばいいとわかっていても、それができません。それは、自分にとってとても大切で重要なことで、失敗が怖いからでしょう。
自立のサイン、〈さみしい〉〈つまらない〉〈うざい〉
子どもは、親の庇護のもとで育っていきます。しかし、いつか親から離れていく時期がやってきます。離れていくときですが、幾つか特別な時期があり、ある言葉が聞かれるようになります。
たとえば、3歳前後から子どもは「さみしい」と言うようになります。この気持ちが、一人でいるのは楽しくない、他の子と遊びたいという欲求への高まりへと繋がります。そして3歳前後から、子どもは2~3人で、ルールを守りながら遊べるようになってきます。
親に向かって「つまらない」と言い始めるのは、小学校に入学前後からです。親といてもつまらない、他の子たちと楽しく遊びたいとの思いが急速に強まります。
親に向かって「うざい」と言い出すのは、中学生くらいからです。親の判断基準に従わず、仲間の価値観に合わせようとしだします。判断の際の依存対象が親から仲間に移行したことは、好みの音楽、洋服、髪型などに表れだします。
誰かと遊びだす3歳代、子ども集団を意識する7~9歳という二つの時期は、他の子たちと人間関係を結ぶことが課題となってきます。
思春期は、自立期でもあります。自分で判断したことの責任を、自分自身で引き受けなくてはいけなくなります。人との関係作りや責任は、子どもにはストレスとなるのでしょう、これらの時期ではどもりやチック、心身症などが見られることもあります。
大切なことと、失敗への恐れ
ご質問の7歳の女の子は、自分で好きな相手との関係作りをしなくてはいけないことを知りました。また、関係作りに失敗したときへの恐れも感じだしました。これは、自立の姿そのものともいえます。
大人の不必要な介入は、子ども同士の関係をこじらせることもあるでしょう。ここでは、黙って見守りましょう。子どもは自分なりに、関係作りのコツを学ぶはずです。あるいは、相手は自分に合わないと感じ、遊びたい気持ちがなくなるかもしれません。この時期から子どもは、自分なりに「人を見る目」を養い始めるともされます。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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