子育て相談室-児童期 2009年2月
脱中心化のために
4月から小学一年生になる長女を持つ母親です。我が強いので、お友だちと上手に関係を築けるか心配しています。幼稚園では、我の強さも遊びの楽しさに紛れていたようですが、小学校では学びを通してのつきあいになると思います。お友だちと仲良くできているのかを家庭で判断するにはどんな行動に注目したらよいのでしょうか。親が子どもの人間関係に助言する際に気をつけることは何でしょうか。
「我の強さ」から「脱中心化」にむけて成長する
「我が強い」とは、自分の要求が何事にも優先されるということでしょう。このような姿は「自己中心的」と表現されます。自己中心的な物の見方は、幼児期の初期から見られますが、年齢を増すにつれ「脱中心化」が進みます。脱中心化とは、自分の見方ばかりではなく、相手の見方も理解できるようになることです。
あいまいで柔らかい物の見方をしだす
たとえば4~5歳になると、「~かもしれない」といいだします。思ったことや考えたことが、絶対に叶うとは限らないことを理解するといえます。この時期には「おそらく、多分」も聞かれるようになります。これらの言葉を使わず、「絶対」「全然」など極端な表現をする子はたしなめた方がいいでしょう。「絶対である」という見方をしていると、脱中心化が進みにくくなる可能性があるからです。
ウソをつきだす頃と多様な視点の獲得
一般的には5~6歳からですが、ウソをつくようになったという相談を受けることがあります。子どものウソですが、単純な言い逃れは別として、大人とは違った視点からの物の見方ともいえます。この時期ですが子どもは、アニメなどのファンタジーにも熱中しだします。物事を「あるがまま」ではなく、自己流の、あるいは物語で解釈できるようになるともいえます。
当然ですが、ウソやファンタジーの理解には、言葉の力が影響します。脱中心化を進めるためには、物語などにふれることも大切な要素となります。
6歳までの会話は「独り言」
6歳の子ども同士の会話は、ちゃんとした会話ではなく、独り言が大半といいます。お互いが、ばらばらなテーマで話しているともいえます。ところが6~7歳になってくると、共通のテーマをもとに話し合いが続けられるようになりだします。会話をしながら、相手の言い分を理解したり、気持ちをはかるようにもなります。独り言から会話に、そしてさらには「対話」へと進む、そのプロセスが始まります。この時期では、テーマをころころ変えないで話すよう促しましょう。こうやって、会話のルールを教えます。
国語の授業も含め、勉強は「脱中心化」を促す
国語の授業では、物語のあとに「○○さんの気持ちをいってください」と質問したりします。国語ばかりでなく、勉強は人の考え方を学ぶことです。そういう意味では、子どもの脱中心化を促すとも言えます。当然ですが、このことが社会性も成長させます。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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