子育て相談室-児童期 2005年9月
おねしょ
7歳の男児のことで、ご相談します。現在小学校2年生ですが、おねしょが、週に5日くらいあります。午前1時にすでにパンツが濡れている時と、明け方にしている時があります。3年生になると、林間学校があります。このまま、様子をみていてよろしいのでしょうか? 4歳の妹が、おねしょをしなくなったので、親の方があせっています。
1.なぜ同じ兄妹で、おねしょのなくなる時期に差があるのでしょうか?
心身の成長とともに、腎臓で作られた尿をためる膀胱の容量が大きくなります。また、睡眠中に尿を濃縮する作用のある抗利尿ホルモンが適度に分泌されるようになって夜間の尿量が少なくなります。さらに排尿を調節する自律神経や睡眠リズムに伴って分泌される各種ホルモンのバランスが整い、朝までおしっこがもつようになります。このように複雑な要因が関係し合って排尿機能が発達するため、おねしょの卒業には個人差が生じます。おねしょは、本人の意思とは関係なく起こることですから、しつけや本人のせいではありません。
2.検査や治療が必要でしょうか?
小学校入学時に、夜尿(おねしょ)がある割合は、約1割といわれています。夜尿症は、腎臓や膀胱・尿道などの泌尿器疾患、尿崩症・糖尿病・下垂体性小人症などの内分泌疾患や脊髄疾患等の症状として現れることもあります。したがって、夜尿以外に、日中トイレに行く回数が多い、いつも下着が少し濡れている、身長の伸びが悪い、水分をたくさん飲むなどの気になる症状がある時は、小児科または泌尿器科を受診なさってください。
3.紙パンツは嫌がります。でも濡れていても起きません。
日中のトイレトレーニングの時は、おしっこをして濡れたという不快感が、あらかじめトイレに行くという動機付けになります。けれども、眠ってからの排尿は、自己コントロールできない別のことです。夜ぐっすり眠ることで、尿を濃縮する抗利尿ホルモンの分泌がよくなり、また膀胱に尿がたまりやすくなると考えられています。睡眠リズムを乱さないようおねしょしていても起こさず、パンツが濡れていたら、そっと換えてあげてください。
4.朝「また、やっちゃった」とケロッとしてます。もう小学生ですし、もっと自覚を持ってほしいと思います。
「おねしょをした」ということは、小さな子にもわかる出来事です。しない時が○、した時が×。本人の意志に反して起こるこの事実に、朝目が覚めて、心にグサッとバッテンをつけられたような気持ちになります。ただ、哀しいかなそれをお母さんやお父さんに上手に伝えられません。また、おうちの方が自分のおねしょのことで悩んだり、心配したりしていることも、よくわかっています。妹さんに気づかれずに自分で濡れた物の処理をできるようお子さんと相談なさってください。また、紙オムツを嫌がる場合は、パンツのままで寝かせて、大人が眠る時に成人用オムツパットを使う(あらかじめ本人の了解のもとに)のもひとつの方法です。紙オムツの感触やギャザーがゴソゴソしていやだったり、他の兄弟の視線が気になったり、気持ちは複雑です。
そして、寝る前には「おねしょじゃんじゃんしていいからね。」と頭をなでて、何かひとつ褒めてください。お子さんは日中、学校で緊張することが多く、家でも褒めてもらう機会は少ないと思います。(私も自分の子を褒めるのは苦手です。)さらに、おねしょをするのではないかという不安を抱えています。きょう1日のストレスをぐっすり眠って解消するために、うれしい気持ちで心をいっぱいにして、安心して眠りについて欲しいと思います。
5.食事や水分のとり方で気をつけることを教えてください。
夕食後の水分は、コップ一杯までに控えます。氷片にすると、口の渇きがゆっくりとれて少ない水分で満足感があります。水分制限を厳しくすると、洗面所や入浴時に水を必要以上に飲んでしまい、夜の尿量が増え逆効果です。
塩辛い物は、あとで水分が欲しくなります。おやつのスナック菓子や、夕食の時の味の濃いみそ汁やスープ、スパイスのきいたおかず、塩辛、キムチ、漬物などは、控えるか、朝食昼食にとってください。夜尿児だけでなく、ご家族の健康のためにも、少しずつ薄味にしていってください。
お茶やコーヒーだけでなく、果物にも利尿作用があります。また、甘い物や清涼飲料、スポーツドリンクなども、あとで喉が渇きますので、夕食後は注意が必要です。
★王子クリニックにおねしょで受診されるかたの3人に2人は、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎を伴っています。鼻の奥がつまっていたり、鼻水が喉のほうに下りたりしているだけですと、外見は鼻水が出ていないので目立ちません。けれども、鼻から喉に下りた鼻汁をきるために、咳のような声を出したり、口を開けがちで眠りが浅かったり、頭が重くてすっきりしなかったりという症状があります。そして、私も花粉症があるのでよくわかりますが、喉がとても渇きます。上記症状がある場合は、その治療から始めます。鼻づまりがよくなると熟睡でき、喉の渇きがなくなり、水のがぶ飲みが減ります。
便秘がちだと寝ている間に腸が動いた時、硬い便が膀胱を圧して排尿を促してしまうこともあります。また「冷え」も排尿機能に影響を与えます。
おねしょが、寝入りばなや午前2時くらいであったのが明け方1回になると卒業間近です。早寝早起きや日常生活の注意を守っても、夜尿の回数や、夜尿量が改善しない時は、きめ細かい生活指導や薬物治療が必要な場合もありますので受診なさってみてください。
ご回答いただいた先生:竹内 紀子 先生
群馬県出身。
東京女子医科大学卒業。
群馬大学医学部附属病院などを経て1992年より(社)発達協会 王子クリニック勤務。
日本小児科学会専門医・子どもの心相談医・日本東洋医学会専門医。
著書に「おくちあーん!」「おねしょじゃんじゃん!」(ともに鈴木出版)
王子クリニックホームページhttp://ojiclinic.jp/
HOME
会社案内
子育て
コラム
お店情報
地域情報
前のページへ