子育て相談室-乳幼児期 2004年7月
注意のしかた
何度注意しても効果がありません。例えば、はみがきや着替えです。注意に慣れたためか、最近は私が注意するまで行動を起こしません。自主的に行動させるためにはどうしたらよいのでしょうか。子は5歳です。
子育て相談をしていると、何度話しても子どもがわかってくれないと嘆くお母さんと出会います。子育ての大変さは、オムツを換えたり、子どもに危険がないように気を配ることばかりではありません。親の思いや、考えが子どもに伝わらないことも、子育てを大変と思わせる大きな理由です。
気持ちのコントロール力
自分のことを淡々とやれない子がいるのは確かです。その理由として、自分の気持ちを一定にコントロールできないことがあげられます。こういう子は毎日の決まりきったことに意欲を持てません。自分のことは自分でする、ということはわかっている子もいます。でも取り組もうという気になれず、叱られても叱られてもできません。こういう子には「何を、どのようにして、何時まで」にやるのかなど、明確な枠組みを作ってやる必要があります。こうすることで親の思い、考えを、感情的にではなく整理して伝えます。
約束をしておく
さて明確な枠組みですが、たとえば子どもと「〜時になったら、自分で歯磨きをする、〜時までに着替える」とあらかじめ約束するのも一つの例です。やらないときは、約束の内容を思い出させます。
五歳前後から、子どもは競争心が強まり、他の子たちと何かにつけて競いあうようになります。この時期では、叱られると反発してかえってやらない、「反抗挑戦」的な子も見られます。勝ち負けに敏感な時期だけに、親が命令口調で指示すると、子どもは逆に「負けないぞ」と思うのかもしれません。
なお競争するためには、「ルール(約束事)を守る」「うまくなるために繰り返しがんばる」などが必要です。この時期の子どもでは、これらが理解できだし、意欲も強まってきます。あらかじめ約束しておくのは、子どもの「約束は守る」という気持ちを頼りにできるからです。兄弟姉妹や仲間がいれば、「○○さんはやっているよ」など、相手と比較して話します。これで負けたくないとの思いとともに、意欲も引き出します。
約束を守るかどうかは、自分で決めることです。この点で、親からの命令に従うこととは本質的に違います。
身の回りのことについては、性差もあるようです。例外はもちろんありますが、女の子がマメで、男の子はだらしないといわれます。女の子は将来母親になり、子どもの世話をする関係で、身の回りのことは自分でするという気持ちが強いともされます。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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