子育て相談室-乳幼児期 2003年5月
偏食をなおすには
偏食のなおし方について教えてください。4歳になる娘は、お菓子が大好きで、ご飯をあまり食べません。食べてほしい量の半分も食べず、また、ご飯を食べないとお菓子は駄目と決めているためか、お菓子を食べたい為に、ご飯を無理矢理に押し込むようにして食べるのです。ご飯を積極的に食べるようにするにはどうしたらよいでしょうか。
保育園での発達相談を20年ほど担当しています。なかに偏食や食がとても細い子がいます。経験的に感じるのは、社会性の発達と偏食や食の細さには関係があることです。
1 「食べ物」とわかる
子どもが、食べられるかどうかを判断する際には、「社会的参照行動」が働きます。まわりの大人や子どもの姿を参照しながら、食べ物かどうかを知ります。
2 「好きなもの」があるから食べる
一般的には一歳半ば頃から、嫌いな食べ物でも、好きなものがごほうびで貰えれば、我慢して食べられるようになります。このルールがわかれば、偏食を改善できる可能性が高まります。
3 「物語」を食べる
たとえばトマトが嫌いな子。「トマトさんが食べてって、いってるよ」と言葉かけをすると食べられたりします。子どもは、二歳の半ば頃からファンタジーを食べだすともいえます。
4 「好きな仲間」と食べる
三歳前後から、好きな子ができ始めます。好きなお友達が食べていると、食べられることが出てきます。嫌いではなく、食わず嫌いとか苦手なのだと考え、偏食指導に取り組みたいものです。
5 「負けたくない」から食べる
4,5歳頃から、他の子に負けたくないという気持ちが現れます。この頃の子どもでは、「〜ちゃんもがんばっているよ」というように、他の子との競い合いを意識させると有効です。競争心が、食べ物への苦手意識をイッキに乗り越えさせたりします。
6 「一般的な常識」をもとに食べる
「風邪を引かないよう野菜を食べる」、「大きくなれるから牛乳を飲む」など、社会的な常識で判断するようになります。知識を基準にして、偏食を克服するといえます。一般的な発達では6歳前後です。
お子さんの場合は、「お菓子ばかり食べていたら大きくなれない」という常識はまだわかりにくいかと思います。なお、好き嫌いだけではなく、自分なりの独特の食べ方があるようです。好きな子がいれば「〜ちゃんも食べてるよ」とともに、食べ方についての真似もすすめたらどうでしょうか。あるいは、食べ方も競争心に訴えるのが有効かもしれません。食の細さには、ご家族でハイキングに行かれるなど、全体的に運動量を増やす必要があるかと思います。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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