子育て相談室-乳幼児期 2002年6月
四歳競争
4歳の息子は、親の言うことをまったく聞きません。子どもの言葉づかいや態度に、ついカッとなり手を上げることもあります。いつの間にか、怒鳴って指示するばかりとなってきました。これでは、しつけではなく暴力と思い、自己嫌悪の毎日です。
子どもの反抗に直面すると、つい手を上げたり、怒鳴ってしまうこともあることでしょう。ただ子どもは、叱られても叩かれても反抗を止められません。大人なら上手にかわすこともできます。それができないのは、反抗してでも子どもは、他者とは違う「自分」を形作らなくてはいけないからです。
競い合いがベースにある
自分を形成する途上にあって、4、5歳の子どもを強く支配するのは、「競い合い」の気持ちです。どっちが早いなど、ささいなことにも勝ち負けを意識し、その勝敗や順位にこだわります。
この競い合いの気持ちは、親に対しても現れます。命令に従うのは「負け」であり、負けたくない気持ちが反抗的な態度につながります。反抗と見えながら実は、競争の心理がベースにあります。
まずは考えを聞く
この頃から、「これをやったらあれをやる」というように、自分なりに順序立てて考えられるようになります。そのため、親から「〜をしなさい」と一方的に命令されると、自分の計画を無視されたという気持ちもあって反発します。まずは、子どもの考えなど、よく話を聞くことが大切です。
あらかじめ約束しておく
ゲームや競争に熱中するこの頃、子どもは、ルールや約束を守ることを重視しだします。たとえば「朝ごはんを食べたらすぐに着替える」との約束が守れなかったとします。このときに、「着替えなさいといったでしょう!」と叱るのではなく、「約束を守っていない」ことを指摘します。子どもは、「約束していないことを一方的に言うのはルール違反」と思うようです。だからこの方が、子どもから素直な行動を引き出しやすいのでしょう。大切なのは、「やりなさい」でなく、「〜したら〜する」というように、事前に約束しておくことです。
4歳は外交官のはじまり
4歳頃から子どもは、他の子を応援する、勝ちを仲間と喜ぶなどの姿を見せだします。負けた仲間を慰めたりし、競争で仲間関係がギスギスするのを防ぎます。「4歳は外交官の始まり」といわれます。大人も、子どもの気持ちを考えての付き合いが必要となります。
親子で楽しみ、仲間になる
この時期、積極的にトランプやなぞなぞなど、親子でゲームを楽しみましょう。また、相撲、プロレスなど体を使った遊びもおすすめです。競い合いの時間を一緒にすることで、親に対して仲間意識が生まれます。こうなれば、親子関係はきっと良好になるはずです。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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