子育て相談室-乳幼児期 2009年6月
関わりことば
2歳の子を持つ母親です。「関わりことば」のホームページを見ました。「そっと」とか「大事」などの26のことばがありました。これらのことばを意識して多く使うようにすると良いのでしょうか。26のことばを使って子どもと関わることで、子どもが自分をコントロールできるようになるのでしょうか。ポイントなどがあれば教えてください。
「関わりことば」そのものは、大人が子どもと関わっているときに、自然に口から出てくることばです。この関わりことばですが、名詞などと違う、人や物との関わり方や、自分自身への見方などを、子どもに教えてくれることばといえます。
「関わりことば」という見方の発見
保育所に週一日うかがって、発達相談をしだして30年近くになります。保育所では、発達が気になる子を観察したあとに、発達検査や会話をし、その後に保育士へのアドバイスをします。
この観察のときに、保育士がある年齢の子どもに、同じようなことばで声掛けすることに気づきました。
たとえば、「そっと」「大事、大切」ということばは、1歳台から子どもへの声かけに出てきます。同じことばを、複数の大人が同じような場面で使うことが不思議でした。
いつもは、発達障害専門のクリニックで働いています。そのときに、精神年齢が1歳台になると、保育士と同じに「そっと」「大事、大切」を使っても、子どもが理解できることがわかってきました。
そして、そのことばを理解することが、子どもの成長にとって不可欠ではないかと思うようになりました。
大人がなぜ同じことばを使うのか?
関わりことばには、大人が子どもに教えたい見方や考え方が含まれています。また、ことばの理解力や社会性の発達と密接な関係があります。
関わりことばの学習は、子ども集団も含め、人や物と良好に関わるためには必要ということがわかってきました。
逆に、「そっと」や「大事、大切」がわからない子は、物を手荒く扱って平気です。人に対しても、乱暴したあとに反省しなかったりします。
関わりことばの見方、考え方を学ばないと、集団に適応することが難しいことがわかってきました。
いまでは、子どもに是非とも学ばせたいから、大人が同じようなことばを使いわかりやすく教えるのだろうと思っています。
早い時期でわかる関わりことば
大人は子どもに、早い時期から関わりことばを使い声掛けします。子どもがまっさらで素直な時期に教えたい見方、考え方だからなのかもしれません。
この関わりことばですが、おおむね3歳台までには、いつも素直に従うかどうかは別ですが、一応は理解できるようになります。
教えるときのポイントですが、ことばそのものよりも、見方、考え方を教えているという意識を大人がもつことと思います。
また、子どもの気になる言動は、関わりことばを学んでいないからではないかとも考えて欲しいと思っています。
湯汲英史(ゆくみ えいし)先生
1953年生 早稲田大学 第一文学部 心理学専攻卒 社会福祉法人 発達協会 常務理事/心理・言語担当 言語聴覚士 精神保健福祉士 早稲田大学客員教授
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