e-ha 通信

秋田さきがけ大畑専売所

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e-ha 通信 2008年2月

第13回 歯磨きと風邪


私が研修医の頃(15年ほど前)、ある患者さんに歯磨き指導ばかりしておりました。もちろん必要な治療はしていましたが・・・。

1年ぐらい経ったある日その人から「歯ブラシをきちんとすると、口の中は気持ち良くなるのは当然ですが、それよりも風邪を引かなくなりました」と言われました。私は理解できなく、その時はただ自分の知識不足を隠しながら「そうかもしれませんね」と答えました。

今から2年ほど前、NHKの番組を観ていたら、インフルエンザと口腔清掃との因果関係について特集していました。その番組内でゲスト出演されていた東京歯科大学の奥田克爾(かつじ)教授が、「口腔清掃がよくなるとインフルエンザにかかりにくくなる」と言われました。

『歯周局所・咽頭にインフルエンザウイルスの働きを助けるノイラミニダーゼやプロテアーゼをつくる細菌群が多い場合、粘膜があらされインフルエンザウイルスの吸着・侵入を導いてしまう』を理由とし、デイケアに通う要介護高齢者に対する歯科衛生士による週一回の口腔清掃を中心とした口腔ケアをしたグループにインフルエンザ発症がすくなかったことを発表しておられました。

最近になって、歯周病や虫歯の放置が、心臓病などのように生命の危険を伴う病気に関係していることが注目されてきました。食べ残しからできる、ほんのゴマ粒大の歯垢の中には数億から数百億の細菌がいます。歯周病にかかっている歯茎はその歯周ポケットの中全体が傷になっていると言っても過言ではありません。

その傷の上に常に、いわゆる「バイキン」がいるのです。また、歯の中には血管があり、虫歯の場合、常に細菌が血液に入り込む状況にあります。みなさんが怪我をした場合、傷口を洗わず消毒しないでいるとどうなるか想像つきますよね。

風邪は多くの場合、体力低下などによる日和見感染です。先ほど紹介した教授の話では、インフルエンザウイルスは口腔内の細菌からでる産物により活発化され、より体内に侵入しやすくなるとのことでした。

いずれにしても共通して言えることは、口の中の細菌の数を減らす(増やさない)ことができれば、より風邪やインフルエンザにかかる確立は下がるわけです。 15年ほど前に私の患者さんからの一言が、恥ずかしながら今になって理解できたのです。

今年の1月に中国で新型インフルエンザの人から人への感染が確認されました。風邪やインフルエンザの予防には、手洗い、洗顔、うがいなどの身体の外部からの汚れに対する予防だけが強く奨励されております。しかしこれに、口腔内清掃(徹底した歯磨き)を加えていただかないと対処は難しいものと思います。うがいだけでは不十分であり、感染拡大した場合の対処はさらに難しくなるでしょう。

我々歯科医や歯科衛生士はそのことを熟知して、多くの人に知らせる義務があると思います。

三上卓也先生 三上卓也(みかみたくや)先生

昭和42年神奈川県生まれ 神奈川歯科大学卒業 平成6年 神奈川歯科大学付属総合診療科勤務 平成8年 仁歯会 松井歯科医院勤務 平成11年 神奈川県三浦市にて開業 横須賀市歯科医師会/三浦臨海高校学校医/日本歯内療法学会所属 趣味はスクーバダイビング・写真(陸上/水中)・クラッシック音楽鑑賞・フルート演奏・旅行など多彩。三崎合唱会ではテノールを担当。

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