e-ha 通信 2005年8月
第3回 歯科医院…痛い!!
歯科医院では一日の患者数のおよそ2割が急患として来院します。その中の1人か2人は、その場ではどうにもならないような痛みを持っています。このような場合、鎮痛剤や抗生剤などで症状を軽くし、翌日本格的な治療を行います。どうしてその時に治療ができないのでしょうか……それは、口もほとんど開けることができない上、麻酔がほとんど効かない状態だからです。
先日、歯の痛みで一睡もできなかったという初診の患者さんから電話が入りました。すぐに来院してもらい、痛みのために口が開けられないのを耐えていただきながら診察しました。患部の歯の周囲は腫れあがり、膿がにじみ出ている状態で、顔は目の下まで腫れあがるといった具合でした。
何かが自分にも感染してしまうのではないかと思うほどのひどい状態でした。歯肉炎が歯の根の先まで進行してしまい、その菌が歯の神経まで感染してしまっていたのです。少しでも、触ると飛び上がるくらいの痛みがあり、麻酔も全く効きませんでした。その日は歯茎を切開して膿を出し、内服薬で症状の軽減をはかりました。翌日、抗生剤の効果があってか多少痛みが緩和されていたため抜歯を行いましたが、本人の話では前日出された鎮痛剤はあまり効果はなかったそうです。
歯科医院に来院される急患は、歯や歯茎・あごが痛いなどのほかに、入れ歯が割れてしまった・入れ歯が当たる・詰め物が取れた・歯が折れたなどがあります。歯や歯茎が痛むだけで、ほとんどの場合、緊急性はそれほどでもなく、1日か2日ぐらいは我慢していただけます。
しかし、歯や歯茎が痛む症状の中には、先の患者さんのように、一刻でも早くその痛みから解放してほしいと思うくらいつらいものもあります。そのような激痛の症状のほとんどは、口が開かないぐらい腫れてしまって患部を診ることができないことが多いのです。たとえ口は開けられても麻酔が効きません。
どうしても処置をしなければならない時は、麻酔の量や方法を変えて強引に行います。それでも数分の間麻酔が効けば良いのですが、効かない場合の痛みは半端ではないようです。もう少し早く来ていただけたら治療中の痛みは最小限ですみますし、麻酔や鎮痛剤も良く効きます。
歯の痛みは、突然来るものではありません。多くの場合、しみる・かむと痛い・浮いた感じがするなどの症状が以前からあります。また激痛のある場合、大抵はその歯に大きな穴(虫歯)があったり歯が汚れてグラグラになっていたりします。激痛を伴う急患の患者さんは数日あるいは数か月前から多少痛いといった自覚症状があり、それを無視したり我慢しながら生活をしていて、いよいよ限界という時に来院されます。
現在の歯科治療は無痛治療が当然となっており、麻酔を使うのはもちろん設備の良いところではレーザー治療などといった方法を行うなど、痛みに対して非常に敏感です。
何か違和感を覚えたら一度診察を受ける。このことが痛みの少ない治療を受けることができる秘けつ(!?)だと思います。
三上卓也(みかみたくや)先生
昭和42年神奈川県生まれ 神奈川歯科大学卒業 平成6年 神奈川歯科大学付属総合診療科勤務 平成8年 仁歯会 松井歯科医院勤務 平成11年 神奈川県三浦市にて開業 横須賀市歯科医師会/三浦臨海高校学校医/日本歯内療法学会所属 趣味はスクーバダイビング・写真(陸上/水中)・クラッシック音楽鑑賞・フルート演奏・旅行など多彩。三崎合唱会ではテノールを担当。
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