子育て

秋田さきがけ大畑専売所

社会への関心は成長のあかし 新聞は社会への窓口です

2008年2月

第23回 神様からの贈り物


夏生まれのせいだろうか。いまだ、冬とのうまい付き合い方がわからない。スキーは学生時代にやったきり。スケートならたまに行くけど。スノボ?そんなの私の守備範囲にない。

あ、鍋なら好き。ほかほかの湯気をかき分け、みんなで突っつく雰囲気が楽しげで。

そんなだからだろうか、初めてママになった冬はしんどかった。

コンクリートの官舎の中、ストーブが付いた一部屋で赤ちゃんと二人っきり。抱いていないと泣く赤ちゃんを抱え、結露だらけの窓の外をぼんやり眺めていた。大人と話しがしたくて、なのに外にも出られずに、毎日空回りしていたっけ。

「そんな体験を話してほしい。陽だまりサロンを作った経緯も」

ある会からお声がかかった。

「そんなんでよければ」と、お返事3秒でお引き受け。

あの頃。育児の悩みを話すと先輩ママは、「すぐに大きくなるわよ」と言った。でも、出口の見えない子育てまっただ中にいると「すぐ」がいつなのかわからなかった。

「誰か助けて」

「話を聞いて」

「一人じゃ大変すぎるよ」と、心が叫んでいた。

私もこの先子どもが育てば、「すぐに大きくなるわよ」と笑い飛ばすかもしれない。仕事を見つけて、外に働きに行くことだってできる。

でも。

誰かが、子育ての辛さも楽しさも体験した誰かが、次のお母さんを支えてあげなければ。

じゃないと、いつまでたっても子育ては大変なままになってしまう。
だから私はここに立ち止まり、乳幼児期の子どもを持つママを応援しよう。

〜3年前、そう決めたんだ。

「支援者となる人へのメッセージも」と請われ、「なんだろなー」と頭を抱えた。

『自分がしてほしかったことを、人に返す』

なんてことはない、これが私の基本スタンス。

子どもを見ていてほしい人には、目を

抱いていてほしい人には、手を

聞いてほしい人には、耳を貸す。

「これだけ?」と言われると困っちゃうけど、本当にこれだけ。
神様はきっと、「二つつけておくからね。一つは人に貸してあげなさい」、そう言って目と手と耳をつけてくれたと思うから。

それで誰かがちょっと楽になれるなら、喜んで片方を差し出していこう。いつか私がしてもらったように。

口?

口は一つだから最後でいいの。「聞いて、聞いて、最後に話す」くらいで。・・・と、自戒を込めて記しておきます(汗)。

若松亜紀先生若松亜紀(わかまつあき)先生

1968年秋田県生まれ。1990年、秋田大学教育学部幼稚園教員養成課程卒業。私立秋田南幼稚園に7年間勤務。シュタイナー教育を保育に取り入れる。閉園により退職。

保育経験や育児を綴ったエッセイ「心で感じる幸せな子育て」(ほんの木)を出版。2005年「粗食のすすめ」の幕内秀夫氏との共著「マンガでわかる食育」(かもがわ出版)出版。教育関係広報誌への連載、講演活動、ラジオ子育てコーナーなども担当。2006年4月には「子どもが輝く幸せな子育て」(ほんの木)を出版しました。

現在は秋田市の自宅で、「出会いと生きがいづくりの場、陽だまりサロン」を運営。毎日たくさんの親子連れでにぎわっています。夫と10歳の娘(華凛)と、8歳の息子(飛龍)の4人暮らし。

陽だまりサロンのブログです。http://yaplog.jp/hi-damari/

だいすきよっ

第01回 出会いと生きがいの場を
第02回 あのころの私
第03回 心の寄せ鍋
第04回 おにぎり
第05回 おばあちゃん
第06回 やわらかくしなやかに
第07回 安心に包まれて
第08回 親切のバトン
第09回 スプーンおばさんの魔法
第10回 エールよ届け
第11回 笑福講座
第12回 なごり雪
第13回 梅のつぼみ
第14回 花咲き実れ女たち!
第15回 秋田の元気
第16回 なにもない豊かさ
第17回 ひらめく
第18回 誕生日
第19回 輝く未来のために
第20回 三つの期待
第21回 靴ひもを結んで
第22回 今、この時、君たちと
第23回 神様からの贈り物
第24回 開けないダイレクトメール
第25回 桜並木の中で
第26回 秋田のパワースポット
第27回 一本の軸となれ
第28回 地域の先生大募集
第29回 初女さんのおむずび
第30回 はじめの一歩
第31回 笑顔の魔法
第32回 ものは考えよう
第33回 お得な時間の使い方
第34回 やる気スイッチ
第35回 人を動かすもの
第36回 キットダイジョウブ
第37回 やさしさバトン
第38回 言葉のフシギ
第39回 背中を押してくれた人
第40回 いいこといっぱい
第41回 夏休みっていいな
第42回 魔法使いのお兄さん
第43回 愛情を測る定規
第44回 風穴(かざあな)
第45回 そこから始まる
第46回 コトバのチカラ
第47回 言葉に支えられて
第48回 できる道
第49回 先生の参観日
第50回 父のみそ汁
第51回 陽だまりサロン5周年
第52回 ちょっと緊張!講演録1