2007年2月
第11回 笑福講座
雪のない冬が続いている。昨年の豪雪体験から早々にサロンを冬季休業し、除雪用具をたっぷり買い込んだ私としては肩すかしをくらった心境である。
それでも「お陽さまだいすきっ」な性格ゆえ、やっぱり嬉しさは隠せないのだけれど。
さて私事で恐縮だが「次の目標が見つからない」と嘆いていた頃とはうって変わって、やりたいことがあふれ出している。その最たるものが、サロンのホームエクササイズ講師さんと始めた「笑福講座」である。
昨年の秋、二人目の育児が軌道に乗った彼女が活動を再開することとなり、打ち合わせをした。その雑談の中でまとまった話である。
「私ね、やりたいことが見つからなくてもがいていた時でも、人と話して笑うと元気が出たの」「その時、周りにもストレスを抱えている人や悩んでいる人がいることに気付いたの。その人たちに、元気を届けたいと思うようになったんだ」と私。
すると彼女は私の手をぎゅむっと握りしめ、ぶんぶん振ってこう言った。
「一緒にやりましょう!私も数年前から同じようなことを考えていました!!」
あっけにとられる私に彼女は続けた。
「そういう人がお医者様に行ったら、なんと言われるかわかりますか?『心の持ち用を変えなさい』『笑顔でいなさい』って言われるんですよ。でもね、心を変えるって難しいんです。笑いたくても笑えないんです。できないから困っているのであって」
ふむふむ、単なる思いつきで発言する私とは違い、彼女の話は理路整然としていて頼もしい。
「けれど、行動を変えることで心って変えられるんですよ。例えばご老人にお化粧をしてあげると、とってもいい表情になるでしょう。お化粧して、心までうきうきしたんですよね。それと同じで。旅行に行ったり、人と話して笑ったり、体操したりと外側から働きかけることで内側まで変わってくるんです。そんな何かをしたいって、私ずっと思ってました!!」
「ずっと」思っていた人にははなはだ申し訳ないのだが、そんなわけで突拍子もない私と二人、元気お届け活動が動き出した。それが題して「笑福講座」。
彼女はもちろん体操担当。
幼少の頃からバレエで鍛えた美しい立ち姿が、その存在感により一層の華を添える。では、私は?私は何ができるのだろう。
「若松さんには、笑いがあるじゃないですか」
「え、やっぱり?私もそんな気がしてたんだよね」
しゃべり担当、笑い話担当になった私は、鏡の前であれこれと話しを練りつつ練習を重ねる。
モニターさんへのお披露目を終え、次の予定もぽつぽつ組んでいる。
「笑うって大切だよね」「心に余裕がなければ笑えないし」「うんうん、この講座で心に風穴(かざあな)ができるといいね」「私たちのできることはちっちゃいけれど、一人で悩んでいる人のお役に立てたら」「そうだ!秋田の自殺率減少は私たちの手にかかっているのだっ」
なんともはや、志しだけはとことん大きくなっていく。よちよち歩きのこのコンビが、はてさてどう転がっていくのやら。あなたもどうぞ「笑いながら」眺めていてください。
若松亜紀(わかまつあき)先生
1968年秋田県生まれ。1990年、秋田大学教育学部幼稚園教員養成課程卒業。私立秋田南幼稚園に7年間勤務。シュタイナー教育を保育に取り入れる。閉園により退職。
保育経験や育児を綴ったエッセイ「心で感じる幸せな子育て」(ほんの木)を出版。2005年「粗食のすすめ」の幕内秀夫氏との共著「マンガでわかる食育」(かもがわ出版)出版。教育関係広報誌への連載、講演活動、ラジオ子育てコーナーなども担当。2006年4月には「子どもが輝く幸せな子育て」(ほんの木)を出版しました。
現在は秋田市の自宅で、「出会いと生きがいづくりの場、陽だまりサロン」を運営。毎日たくさんの親子連れでにぎわっています。夫と10歳の娘(華凛)と、8歳の息子(飛龍)の4人暮らし。
陽だまりサロンのブログです。http://yaplog.jp/hi-damari/
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